被疑者を釈放してほしい場合
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繰り返しになりますが、警察官が被疑者を逮捕した場合、逮捕から48時間以内に被疑者を釈放するか、被疑者を検察官に送致しなければなりません。 そして、その検察官は、警察から送致されてから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に勾留請求をしない限り、被疑者を釈放しなければなりません。 これらのルールが守られていない場合は、被疑者の人権が侵されていることになります
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そして、検察官が、捜査にもっと時間が必要と判断した場合、10日間の勾留を裁判所に請求します。
裁判所が勾留を認めると、勾留を認めた日から数えて10日間は、身柄を拘束されます。勾留はさらに10日間延長することができますので、一度逮捕されてしまうと、合計20日間の勾留となることが多いと言えます。
逮捕され、勾留された場合、被疑者の精神的負担は大変なものです。
取調べから開放されたい一心で、不利な証言をしてしまう、ということも考えられる話です。
従って、刑事事件で、
逮捕・勾留の段階で、私選弁護士として選任された場合、まずは、釈放に向けた弁護活動が重要
となります。
具体的には、1)勾留阻止による釈放、2)保釈による釈放、3)不起訴による釈放、4)略式手続きによる釈放を目指すことになります。
以下、それぞれについて、説明します。
1)勾留阻止による釈放
上記のように、仮に逮捕されても、裁判所が勾留を認めなければ、被疑者は72時間以内に釈放されます。
勾留阻止によって釈放された場合、自宅から警察署に出頭して取り調べを受けることになります。
この場合、出頭は勾留されている場合とは異なり、「任意」での取り調べとなります。
2)保釈による釈放
起訴後は、弁護士を通じて保釈を請求し、認められれば留置場から釈放されます。
釈放された場合、旅行や住居に関する制限以外は、日常生活の制限を受けなくなります。
従って、自宅で普通に生活しながら、刑事裁判に向けて、弁護士と協議したり、準備を行うことができます。
3)不起訴による釈放
逮捕・勾留された場合でも、捜査の結果、犯罪の立証ができない場合は、不起訴処分になります。検察官が不起訴処分とすれば、留置場から釈放されます。
不起訴処分が獲得できると、何らの制限を受けることもなく、日常生活を送ることが可能になりますし、当然、前科もつきません。
4)略式手続きによる釈放
察官が事件を起訴する場合でも、公判請求ではなく、略式請求の場合は、罰金を支払うことを条件に、留置場から釈放されます。
この場合、罰金を支払えば、法廷に出る必要はなく、その後、自宅に戻って、通常の日常生活を送ることができます。
釈放に向けた弁護活動は時間との戦いになりますので、できるだけ逮捕直後などの早い段階でご相談ください。